【第２話】雇用契約書と店長やれる？

仕事の終わり間際に、会社の常務が訪ねてきた。

「手が空いた人から、雇用契約書の事でいいかな」


実は今年の４月から労働基準法の関係で、給料形態が変わりその雇用契約書の更新をしたいとの事。

今までは？というと、残業時間はみなし残業として４５時間分（それすら知らなかった）が入っていた。
もちろんそれを超える分については、サービス残業とされていたと思う。

これを聞く窓口は社長娘様の取締役、わざわざ勤務中に本社へ電話して、この給料内容はどうなっているのか？なんて、やはり”聞きづらい”というのが正直なところ。

定時の時間も今まではかなり曖昧で、７時半〜始業なのに、終わりは１７時前に帰ってはいけないという暗黙のルール。
どちらにしても、この時間に終わることはなく日々２時間〜３時間程の残業をしていた。
休日出勤は当たり前。店自体は休みがないので、休日出勤をしている感覚すらない。
残業は大体平均すると６０時間前後はしていました。

ここまではまぁよくある？会社だと思います（笑



話はそれました。



正直、もう辞めるのに契約も何も・・・とは思ったものの
まだこの常務の耳には退職の意向の話は入っていないようだ。
契約書の内容を軽く説明を受け、「残業時間は４５時間以内で宜しく！」という無茶振り。

嫌味のように「先月は全員６０時間オーバー、今月は現時点で全員４０時間オーバーしていますね。また６０時間超えそうですね〜」
とだけ伝えておいた。
もちろん響いてもいないし、響かせようとも思ってはいないが・・・

その後、後輩達が帰り、遅番という業務をこなしていた。
「○○君さぁ、今のお店で店長ってやれる？今の店長を別の店の店長にしたいんだよね」
「どう？やってみない？」

というお話を頂きました。
２年前なら、喜んでいたかもしれない。いやどうだろう？（笑

まだ常務の耳には入っていないようだったので、「あの・・・実は・・」
という事で、丁重にお断りをさせてもらいました。

店長のお話を頂き、それなりに認められていると思っていいのか、
それとも只々、人がいないからしょうがなく２番手の自分をという事のなのかまでは伝わっては来なかったのですが。
「ぜひ○○君なら適任だと思うからやって欲しい！」とか嘘でも言ってほしいもんですね（笑